第五二五七メンバーの話より 殺すなんていやなんです。 例えば、ある若い女性兵士は、戦友の若い女の子の兵士が泥や土にまみれて汚らしく死んでいる姿を見て、『自分はこんな風には死にたくない。
1共産党員とそれ以外の人との精神的な背景(語れないことも多いだろうが)の違いがかなりうかがえたことも含めて、興味深かった。 また、彼女たちの多くが、自分から志願して戦地に赴いたといことに驚く。 女性が戦争にどう参加したか、また戦中・戦後をどう生きたのか、なかなか語りたがらないインタビュイーからの綿密な聞き取りによって、「戦争」そのものを抉り出す筆致は見事と言うしかない。
8だからなお恐ろしい…… 打ちのめされちゃって語ることもできないので、印象に残ったエピソードを書きとめておく。 夜中の二時に交替が来たのに、交替しないでいいと言って断ったんです。 第四話 今度は衛生指導員、つまり衛生兵の話。
8証言者は、相手が同じ女性だったからこそ本音を吐露することができたのだろう。 女の子を率いて戦わざるを得なかった指揮官も、頭を抱えたと思われる証言も多数。 もう力がなかったの。
本書はいわゆる独ソ戦における従軍記的なものであるが、現実論として第二次世界大戦におけるヨーロッパでの戦闘については日本人に はあまり知られていない。 いつの時代でも、権力は真実を隠そうとする。 普通、人間が持っている顔じゃないんです。
9ロシアが組織的に女性を兵士にしていたのは知らなかった。 あるのはアフガンとかイラクの、アメリカの本くらい。 (スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著、三浦みどり訳/岩波現代文庫・1400円+税) 海老沢類 PR. ああ、戦争なんてイヤだ、という本なので是非是非広く色々な人に読んでもらいたいなと思いました。
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