製鋼で発展した室蘭の「地球岬」です。 その後も華美な様相で客にもてはやされる梅や武子への羨望から女郎になることを望み、梅を通じて女将に懇願するが許されなかった。
事件から1ヵ月後、武子の様子は変わりなく、お座敷に出ていた。 一緒に幕西遊廓に来た4人の中で1番年上の松恵は到着当日にさっそく客を取らされ自害してしまいます 松恵の妹・お梅は人気女郎になっていき、もう1人の武子は女郎ではなく芸妓(遊女ではなく芸者)となるべく女郎屋の女将に目をかけられます 一方栄養失調からくる病を患い器量もなかった道子は下働きとなりますが、きれいな着物を着てもてはやされるお梅や武子のようになりたいと強く思うようになっていきます 女郎屋の女将は道子本人やお梅からその思いを聞いていましたが、自分のところで客の前には出せないと突っぱねた挙げ句に別の女郎屋へ道子を転売してしまいます 一方売れっ子女郎となったお梅は社会主義者の青年と恋に落ちて駆け落ちをしようとします 青年と約束した場所へ向かうお梅は道子も共に連れて行こうと女郎屋を訪れますが、客層も衛生面も劣悪な女郎屋で客を取っていた道子は梅毒と思われる病に侵されていました 視力を失っているらしい道子はまともな着物ではなくゴザを体に巻きつけているだけでしたが、お梅は道子を引きずりながら幕西に来た日に人買いが「今日からここがお前たちの親だ」と言った岬に辿り着きます しかしお梅を捕まえようと追ってきた男が現れ、道子はその男にお梅と間違われて海に突き落とされてしまいました あまりにも悲惨な人生ですが、劣悪な女郎屋で最下層の客たちに抱かれる道子の顔はなぜか笑顔ばかりで・・・幸せってなんなんだろうと考えてしまう最期でした. (能町みね子)長いですね。
だがそこは客層・衛生面も劣悪な環境の店で、性病に罹患し視力も失う。 それは大きくなったお腹を蹴られ、相手が誰であるかさえも特定できぬ赤子を死産したばかりの身体にも容赦なく襲い掛かる現実。 道子は辛くて辛くて仕方がありません。
3【室蘭の断崖の深さ、冷たさがこのストーリーの象徴的存在】 室蘭の断崖は、この物語の 象徴です。