僕の場合はたまたまそこに血の繋がりがあっただけなんだろう。 物語は、最初の語り手である森見登美彦自身が、新作の小説が書き出せずに悩んでいる……、というシーンから始まります。 どんな親でも、子供に対してしっかりと愛情をそそぐということが、どれだけ大切なのかが分かった気がします。
6それは、優子が5人の親それぞれに、いつも愛情をそそがれてきた証だった。 そんなふうに素直に受け止められている優子はかわいいです。
優子の結婚式で優子と歩く森宮さんが思ったことです。 こんな風に書くと、いったいこの子はどんな大変な思いをしたのだろう? この子に何があったの? 本当の両親は?どうしてこんなに親が変わるの? と、なんとなく主人公の女の子が苦労してきたんじゃないかって思ってしまう。
12しかし、母親を辞めるには自分の代わりとなる親が必要であり、梨花が選んだのが森宮でした。 そこで、どういうわけか、田中梨花が優子を引き取って、(養女かもしれない。 森宮さんのことを絶対にお父さんとは呼ばないが、かといって、父親と認めていないわけではない。
ただ、あとに残された人たちが、 ナスミのいない世界でそれぞれどのように生きてゆくかという姿が描かれるだけです。 父親とは小学五年生の時、父親の海外赴任の際に別れることになり、その時の母親であった梨花さんとしばらく暮らすことになる。
13そういえば、同作者の作品を以前読んだことがあります。