新潮文庫の 円地文子訳源氏物語 1 の解説を 瀬戸内さんが書いているのですが、円地源氏と瀬戸内源氏についての 興味深いお話が語られていますので、少し引用します。 紫の上も『中巻』では人間味を増して描かれています。
9その直後、紫の上は重病に伏し、二条院に移される。 まったくの他人でさえ拝見したら、きっと心が乱れるだろう。 少なくとも私にはできません。
6翌日、源氏の元には多くの客が新年の挨拶に訪れるが、玉鬘の美貌に気もそぞろだった。 そこで、身分をやつして見物に出ていた六条御息所の車と鉢合わせ、従者たちが御息所一行を辱めてしまう。 玉鬘は偶然、柏木たち血のつながった兄弟の楽を聴いて感動する。
名香が集められて催された薫き物あわせ後、明石の姫君の裳着が行われた。 偶然にも猫が御簾を引き上げ、柏木が女三の宮を垣間見、懸想する。 文献では長保3(1001)年にその存在が確認され、寛弘4(1008)年に成立したとされています。
16宿願をかなえた明石の入道は、山に入り、消息を絶つ。
調伏を続けると六条御息所らしき霊が現れ源氏は慄然とするが、紫の上はなんとか息を吹き返す。 同じほど、それより下臈(げろう)の更衣たちは、 まして安からず、朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、 いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせ(はばからせ)給はず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。 02 宮仕えの初めから我こそはと自負しておられた女御たちは、桐壺の更衣一人が帝から愛されていることを心外なことに思って、さげすみもし憎んだりもします。
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