わたしは今、ほんとうに素敵なことだと思っているのですが、ロックダウンをするなら経済的損失が引き起こされることになるという発想を、誰も当然だと思っていない。 まるで誰かが意図的に、我々を働き続けさせるためだけに無意味な仕事を作り出したかのようであり、何より問題なのは、こうした仕事は、やっている本人自身が何の役に立つのか分かっていないということである。
1「経済再始動」への呼びかけは、だから要するに、経理屋を職場復帰させるために、わたしたちは死のリスクにさらされなければならないという求めなのだ。
わたしは彼の名前を知ってからまだ3ヵ月しかたっていない。 いくぶんか曖昧なこうした見解は、しかしその楽観性ともども、きわだってグレーバー的なものであることを指摘しておこう。 これこそが現実です。
10Direct Action: An Ethnography. 「新たな代表作になるはずの遺作(共著、来年原著刊)は実に5万年の時空を探索し、『サピエンス全史』の歴史学者ハラリに典型的な、陰鬱な未来像を打ち破ろうとする野心的な仕事だ。 仕事とは何だろうと考える時、思い浮かぶ現代詩がある。 ブルシット・ジョブに就いている人は、高賃金の場合でも、無駄な仕事をしているために苦しんでいるともグレーバーは言う。
6そういうものではないですか?」 グレーバーの答えはこうだ。 今となってはもう、魔神を瓶に戻すことなどできません。 グレーバーによると、これらが「ブルシット・ジョブ」なのだ。
14労働が原罪によって呪われた人間の義務となり、神聖な価値観すら帯びはじめるのは、西洋においてキリスト教が誕生してからのことにすぎない。 人類学者はこれまでも、コロナ禍のただなかでの状況的発言を散発的に行ってきた(「 」)。