孔子から何かを教わると、それが実行できるようになるまでは、ほかのことに見向きもしなかった。
同じ質問なのに、答えが違っているのを不思議に思ったべつの弟子が、そのわけをきくと、孔子は、 「子路は血気にはやるからたづなをひきしめ、冉有 (ぜんゆう)はひっこみじあんだから尻をひっぱたいたのだ」 と答えているのが、それである。 「なぜこうこたえなかったのだ。
『論語』の一番初めにも、 「教わったことをいつも実践する。 いわば、私は天の申し子だ。
あれ以外に、本当に勉強好きな人がいるとは思えません」 孔子は早死にした顔回を、いつまでもおしんでいたのである。 子路は返事ができなかった。
14上に立つ人が、仁の心深く、徳があり、礼を心得て政治を行えば、しぜんによく治まる。 赤いおんどりの羽根でかざったかんむりを横っちょにかぶり、腰の長剣をひねくりまわしながら孔子にいった。
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